【漫画】進撃の巨人について

ついにアニメでも最終回を迎えてしまった。

 感無量。リアタイしたけど歴史的瞬間に立ち会ったような心地である。

 

 

一番好きな漫画は何か。まだその答えは出てないけれど、進撃の巨人は間違いなく私の心に一番突き刺さった漫画なんですよね。
なぜかというと、巨人というファンタジーを用いながらも、この世界と人間そのものを描いているから。これは世界中の人たちにとっての現実にほかならないと思うから。エンターテインメントでは済まされないから。

エレンが起こした地ならしは、人類の八割を滅亡させる世界規模のジェノサイドで、それが終わった後は戦争なんかできないとアルミンに話している。だけど加筆部分であるミカサの死後に、またパラディ島は迎撃されている。つまり戦争が起きてしまっている。
どういう経緯で起きたのかがものすごく気になるけれど、地ならしを含めて長年のエルディア人への恨みや報復がそこにあるのは想像にかたくない。

戦争が起こるまでには、あまりにも多くの歴史や因果がその過程にあり、一面を見るだけでは全貌はわからないし、解決することもできない。戦争は終わらない。多分エレンは巨人を含めて世界から戦争をなくすには「地ならしで"全"人類を滅ぼす以外にない」ということに気づいていたはず。でもそれができなかったのは、ミカサやアルミンを始めとした仲間たちがいたから。どんなに残虐なことができても、彼らを踏み潰すことだけはできなかった。
エレンは自分たちの仲間だけは殺さなかった。それは世界のためではなく自分のため。「お国のため」という言葉とは真逆のことをしでかした訳で。地ならしとは究極の自由意志であり、究極の自分勝手。そして全体主義への全否定。
グリシャが壁の中で人を愛したから。エレンを愛していたからこそ、エレンはこの答えにたどり着いたんだと思う。
エレンが愛を知らなければ、安楽死計画を否定はしなかっただろうし、地ならしをしたらそれこそ真っ平らにしていたと思う。愛よりも"目的"に重きを置くだろうから。

「パラディ島」や「マーレ」は現実世界のどの国を指すのかハッキリとわからない中で、どう考えても日本としか思えない「ヒィズル」という国が出てくるのは非常に気になる。キヨミは船上で、パラディ島に対して自分たちの利益でしか動かなかったことに後悔を滲ませる。
これは「世界中で起きていることに対して、日本は無関心でいるな、傍観者でいるな」という警鐘として受け取れるのかな。