【資料】ゴーストハンター

『ゴーストハンター エクソシストから修験者まで』(2011)

三猿舎編、新紀元社

 

エクソシストのことが知りたくて図書館で拝借。

表紙がかっこいい。丹野忍さんのイラスト。

日本のゴーストハンターのページが多いけど、エクソシストの部分のみ読了。

映画の「エクソシスト」や実在したエクソシストのエピソードにも触れられていて、それまで廃れていたけど映画の影響で世界的に認知され、エクソシスト協会まで発足したとか。

 

でもエクソシストそのものより、背景となっているキリスト教やヨーロッパでの歴史の方が個人的には興味深かった。あまり世界史に詳しくないので初めて知ることばかり…

 

まず、エクソシストの祓う悪魔とは何か。

悪魔はこの世に満ちる悪の人格化であり、理不尽に与えられる苦痛を悪とする。この世は苦痛の連続で悪に満ちている。

「この世の君」とはこの世界の支配者で、悪魔の王サタンのこと。この世の君は追い出されずに世界を支配し続けている。

サタンはヤハウェの善悪両面の存在。ヤハウェの一部。

この世は善悪の存亡をかけて戦う場所であり、悪の方が優勢。しかし宇宙の創造主である神に背くことは許されない。いつか悪魔の支配を脱する…ということが描かれているのが「マルコによる福音書」であるという。(難しすぎる)

旧約聖書は神自身が悪の源泉であるという…

 

そして異端審問と魔女狩りにも触れられている。

13世紀、ローマ・カトリックは腐敗していて、本来の清貧主義に戻る「カタリ派」が誕生。それを危惧したカトリックカタリ派を討伐。

その中で異端審問が創設される。討伐を免れた異端者を殺し財産を奪う目的である。あっという間に異端者は根絶されたが、異端審問所の財源危機に。自らの存続のために「魔女」に目をつけ、次の敵とした。罪のない人たちに罪状を与え、拷問によって自供させ処刑する。身の毛のよだつ話である。

現在のキリスト教は過去の蛮行を反省しているという。「本来は悪魔祓いによって救われる人々が悪魔として焼かれてしまった」

人間はときに悪魔以上に邪悪な存在になるという。

 

……つまりは人間が悪魔ってことですかね。(回らない頭を無理やり整理)