【小説】屍鬼(文庫版1巻)

 

唐突にフジリュー屍鬼熱が再燃して、原作小説も手に取った。初読は中学三年の時。読み返したけど当時理解出来てたのか?と聞きたくなるくらい硬質な文章。でも今読み返したらやっぱり面白くて夢中になった。

漫画版での第一巻の内容が文庫版では500ページ以上の内容になっていて、ほとんど登場人物紹介に割かれていると言っていい。人物が多いから小説から入っていると誰が誰だかわからないと思う。漫画のフジリューのとち狂ったキャラデザ(褒めてる)のおかげで誰が誰なのか整理して読めたかも。

私が好きなのはアニメリアタイ時から変わらず、室井さんと沙子。この二人の会話や関係が本当に好き。

室井さんは原作ファンの方から「ごつい印象があった」と言われていたけど、敏夫に「いつまで突っ立ってるんだ」って言われてたり、腐乱死体を見つけて最初に敏夫を頼ってたあたり、ごつい印象には結びつかなかったなぁ…むしろ漫画アニメ版よりもナヨナヨしてるイメージwww不審者扱いされちゃってるところも可哀想。。

室井さんと沙子の掛け合いは漫画よりも小説の方が多いみたいなのでこれから追いかけていくのが楽しみ。二巻は完全に未読なので早く読みたい。

 

【漫画】進撃の巨人について

ついにアニメでも最終回を迎えてしまった。

 感無量。リアタイしたけど歴史的瞬間に立ち会ったような心地である。

 

 

一番好きな漫画は何か。まだその答えは出てないけれど、進撃の巨人は間違いなく私の心に一番突き刺さった漫画なんですよね。
なぜかというと、巨人というファンタジーを用いながらも、この世界と人間そのものを描いているから。これは世界中の人たちにとっての現実にほかならないと思うから。エンターテインメントでは済まされないから。

エレンが起こした地ならしは、人類の八割を滅亡させる世界規模のジェノサイドで、それが終わった後は戦争なんかできないとアルミンに話している。だけど加筆部分であるミカサの死後に、またパラディ島は迎撃されている。つまり戦争が起きてしまっている。
どういう経緯で起きたのかがものすごく気になるけれど、地ならしを含めて長年のエルディア人への恨みや報復がそこにあるのは想像にかたくない。

戦争が起こるまでには、あまりにも多くの歴史や因果がその過程にあり、一面を見るだけでは全貌はわからないし、解決することもできない。戦争は終わらない。多分エレンは巨人を含めて世界から戦争をなくすには「地ならしで"全"人類を滅ぼす以外にない」ということに気づいていたはず。でもそれができなかったのは、ミカサやアルミンを始めとした仲間たちがいたから。どんなに残虐なことができても、彼らを踏み潰すことだけはできなかった。
エレンは自分たちの仲間だけは殺さなかった。それは世界のためではなく自分のため。「お国のため」という言葉とは真逆のことをしでかした訳で。地ならしとは究極の自由意志であり、究極の自分勝手。そして全体主義への全否定。
グリシャが壁の中で人を愛したから。エレンを愛していたからこそ、エレンはこの答えにたどり着いたんだと思う。
エレンが愛を知らなければ、安楽死計画を否定はしなかっただろうし、地ならしをしたらそれこそ真っ平らにしていたと思う。愛よりも"目的"に重きを置くだろうから。

「パラディ島」や「マーレ」は現実世界のどの国を指すのかハッキリとわからない中で、どう考えても日本としか思えない「ヒィズル」という国が出てくるのは非常に気になる。キヨミは船上で、パラディ島に対して自分たちの利益でしか動かなかったことに後悔を滲ませる。
これは「世界中で起きていることに対して、日本は無関心でいるな、傍観者でいるな」という警鐘として受け取れるのかな。

 

 

【資料】ゴーストハンター

『ゴーストハンター エクソシストから修験者まで』(2011)

三猿舎編、新紀元社

 

エクソシストのことが知りたくて図書館で拝借。

表紙がかっこいい。丹野忍さんのイラスト。

日本のゴーストハンターのページが多いけど、エクソシストの部分のみ読了。

映画の「エクソシスト」や実在したエクソシストのエピソードにも触れられていて、それまで廃れていたけど映画の影響で世界的に認知され、エクソシスト協会まで発足したとか。

 

でもエクソシストそのものより、背景となっているキリスト教やヨーロッパでの歴史の方が個人的には興味深かった。あまり世界史に詳しくないので初めて知ることばかり…

 

まず、エクソシストの祓う悪魔とは何か。

悪魔はこの世に満ちる悪の人格化であり、理不尽に与えられる苦痛を悪とする。この世は苦痛の連続で悪に満ちている。

「この世の君」とはこの世界の支配者で、悪魔の王サタンのこと。この世の君は追い出されずに世界を支配し続けている。

サタンはヤハウェの善悪両面の存在。ヤハウェの一部。

この世は善悪の存亡をかけて戦う場所であり、悪の方が優勢。しかし宇宙の創造主である神に背くことは許されない。いつか悪魔の支配を脱する…ということが描かれているのが「マルコによる福音書」であるという。(難しすぎる)

旧約聖書は神自身が悪の源泉であるという…

 

そして異端審問と魔女狩りにも触れられている。

13世紀、ローマ・カトリックは腐敗していて、本来の清貧主義に戻る「カタリ派」が誕生。それを危惧したカトリックカタリ派を討伐。

その中で異端審問が創設される。討伐を免れた異端者を殺し財産を奪う目的である。あっという間に異端者は根絶されたが、異端審問所の財源危機に。自らの存続のために「魔女」に目をつけ、次の敵とした。罪のない人たちに罪状を与え、拷問によって自供させ処刑する。身の毛のよだつ話である。

現在のキリスト教は過去の蛮行を反省しているという。「本来は悪魔祓いによって救われる人々が悪魔として焼かれてしまった」

人間はときに悪魔以上に邪悪な存在になるという。

 

……つまりは人間が悪魔ってことですかね。(回らない頭を無理やり整理)

 

【映画】吸血鬼ハンターD

 

2000年頃の映画。

原作は菊地秀行によるライトノベル作品。

 

吸血鬼と人間のハーフである「ダンピール」が主人公であり、それが気になったので視聴。

挿絵がファイナルファンタジーのイラストで知られる天野喜孝氏が手がけているからか、非常に耽美的で美しい。でもジョジョっぽさが感じられて、主人公のDはどこか承太郎のような印象を受けた。(硬派だけど優しいところとか)

 

ダンピールは人間にもなれない、吸血鬼としても中途半端。彼らは結局血が必要なの?日光に長く当たるのは吸血鬼と同様でダメらしい。

不老不死と絶世の美貌も特徴のうちの1つ。

 

敵である貴族マイエル・リンク様も美しかった。ディオ様みたい。

人間の恋人シャーロットもかなりの美人。

シャーロットは戦いの渦中で死ぬが、マイエルは彼女の亡骸とともにロケットへ乗り、約束の地へ向かう。悲恋…。個人的にはマイエルサイドでもストーリーを見てみたいと思った。

 

古い作品だけどダンピールのことが知れるラノベの名作。原作も読んでみたいと思った。アニメも美しいから見返したい…